【エピソード#3】日記から読み取れる完成までの期間
ルイザがLittle Womenを執筆した父ブロンソン手作りの机 ルイザの日記によると1868年5月にLittle Womenの執筆を始め、6月には前半の12章を書き上げて編集者に送った、と記されています。その後も、6月中に、他の話を3つを書いた、ともあり、7月15日の日記には「『若草物語』を書き終えた」と残されていました。 これらのことからは、正確な執筆期間がどのくらいだったのかはわかりませんが、いずれにせよ、非常に短い期間で402枚(23章)もの原稿を書き上げたことがわかります(印刷された初版本のページ数は341ページ)。 ルイザは、いつも物語を書き始めると、まるで執筆の世界の渦の中に入り込んでしまったように夢中になってしまい、食べることも眠ることも忘れてしまうくらいの集中力で、一気にペンを走らせていました。そんなルイザを心配する母アバの姿が、映画の中では、執筆中のジョーを見守るマミーという心に残る場面となりました。 1955年版Little Womenの挿絵で描かれた、机に向かって執筆中のジョー(絵:Barbara Cooney) 執筆 ミルズ喜久子(オーチャード・ハウスミュージアム特別プロジェクト担当、若草物語クラブ会長) 取材調査協力・資料提供 オーチャード・ハウスミュージアム:Louisa May Alcott’s Orchard House Jan Turnquist(館長、若草物語クラブ名誉会長) Maria Powers(副館長) 編集:住井麻由子(若草物語クラブ事務局長)...