『若草物語(原題Little Women)』とは
ルイザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott:1832~88)が執筆した不朽の名作です。
南北戦争(1861~65年)時のアメリカ・マサチューセッツ州コンコードを舞台に、心優しい母親と一緒に、従軍牧師として赴いた父親の留守を預かる主人公・マーチ家の4人姉妹の成長が生き生きと描かれています。このマーチ家は、作者ルイザの家族であるオルコット一家がモデルとなっているルイザの自叙伝的小説です。
1868(明治元)年に初出版されるとたちまち大変な人気を博し、翌69年には第2部が発刊されました。以後150年以上もの間、一度も絶版になることなく、50カ国語以上の言語に訳されています。魅力ある映像作品もたびたび制作され、大ヒットした映画も多く、世界中の人々に愛され続けてきました。
日本では、1906(明治36)年に、北田秋圃という翻訳家により、初の日本語訳が出版されました。その後2019年までに、194冊の日本語訳が出版1されています。
Little Womenは、この1868年と翌69年に出版された第2部で構成されていますが、日本では第2部は『続若草物語』などのタイトルで、第1部の『若草物語』とは別に手がけられることが一般的です。現在、『若草物語Ⅰ&Ⅱ』(谷口由美子訳・講談社)で1冊の本として楽しむことができます。
続編には、Little Men(第三若草物語)、Jo's Boys(第四若草物語)があります。
1 小松原宏子・若草物語クラブ副会長兼特別顧問調査より「若草物語クラブ」の誕生
2023年7月、ルイザ・メイ・オルコットのオーチャード・ハウスミュージアムが海外で初めて公認する『若草物語』愛読者団体として、国内を代表する『若草物語』やオルコット研究者、翻訳家、同ミュージアムとかかわりがあった有志一同によって日本で誕生しました。
24年6月には、オーチャード・ハウスミュージアムの日本窓口であり、若草物語クラブを運営する一般社団法人若草物語クラブ・オブ・ジャパンが設立しました。
「若草物語クラブ」の活動目的
若草物語クラブは、日本の愛読者や研究者、ルイザ・メイ・オルコットミュージアムとの交流の機会や学びの場を設けます。そして、『若草物語』の作品とその文化・歴史等に広く触れることで、オーチャード・ハウスミュージアムの保存と、オルコット家の人々、人生哲学などからの学びを次世代に伝えていくことを目的とします。
そして、次のような活動を予定しています。
- ルイザ・メイ・オルコットの作品を読み、オルコット家の人々やオーチャード・ハウスについて学ぶ機会を作る
・特別顧問や翻訳家が講師となった「原書を読む会」、若い世代向けの「お話を読む会」、お茶会、特別顧問らによる講演など
- 『若草物語』をテーマにした展示会や、オーチャード・ハウスから館長・スタッフを招いた懇親会・ファンミーティングなどのイベント開催
- 会員同士の交流、勉強会などの企画や実施の支援
- オーチャード・ハウスの寄付金を集める活動の支援
その他にも様々な活動に取り組む予定です。
「若草物語クラブ」の目指すところ
若草物語クラブは、ルイザ・メイ・オルコットのオーチャード・ハウスミュージアム全面協力のもと、活動を展開していきます。
会員になると、若草物語クラブを通じて、作品やオルコット家について、オーチャード・ハウスミュージアムのスタッフに質問することができるなど、他の愛読者団体にはない双方向型の活動が可能であることが大きな特色です。
こうした団体の特色を活かして
✓『若草物語』の展覧会開催
✓オーチャード・ハウスミュージアムへのオリジナルツアー実施
✓オーチャード・ハウスミュージアムで毎夏実施している、ルイザの父ブロンソンゆかりの「夏の哲学学校」参加
など、たくさんの目標があります。
また、会員がやってみたい夢を応援したり、会員自らが活動を作っていく、クラブを目指しています。